洗濯機を買う

我が家に来て10年目の洗濯乾燥機が息切れを起こし乾燥機能が停止、3日後には給水機能が停止した。

「私のバッテリーは少なくなり、あたりは暗くなってきた」

とはいってくれなかったが。

 

ともあれまずは感謝を申し上げる。新居に越してきてからの日々は君とともにあった。明日には新人にとってかわられリサイクル券の控えだけがかろうじて君がこの家にいた証となるだろう。

 

様々な見地から私は新人のスカウトをおこない、最終チェックに○マダ電機に赴いた。値段はネットでチェック済み、現物と、他機種へのちょっとだけ興味をもっていたものを比べようという腹積もりである。

 

結果的には明日我が家にくるであろう新人は当初の予定通り、であるが、購入にいたるまでは様々なハードルがあり、忘備録を残そうと思い立った。

次はエアコンが壊れるような気がしているからかもしれない。

 

 

 

 

だれだお前ら

 土曜の午前中に訪問したが客はすくない。販売員の手持ち無沙汰にみせかけた獲物をねらう目つきに心がはやくも警戒音を出してくる。ここを通り過ぎなければ目的の場所にはたどりつけまい。とにかくいろんな奴らが何かを差し出しながら作り笑いでなんか話かけてくる。なるべくぼんやりと前をみて目をあわさない。RPGゲームをやっている御仁であればまるで○○のようなとうまいたとえも出てこようが、こちらはPS2のバイオハザードを売り払ってからというものそのようなものとは縁がないのに。

 

買いたいもののことを教えてくれない

 今日買おうとしたメーカーではないもののフェアをしており、隙あらばそちらの洗濯機へ誘導されていく。こっちはどうなんですか、と聞けば答えてくれるが、気が付くとおすすめメーカーの前にいる。お値段だしてみましょうか、とにこやかにわらう青年のきつい口臭に辟易しつつも数万円の価格差に負けず初志貫徹した。

 ここから謎の敵が次々に現れる

「別の担当にごにょごにょであsdfghjkkl」「時間があるうちに携帯のアンケートがあsdfgひl」といい青年はどこかへいってしまい、

 

敵A:V系の髪型をしたおじさんがあらわれた!

「いや~あsdfhkllくぇrちゅいいおp」と何を言っているか理解できないお愛想を振りまいている。住所と連絡先を控えるのにどれだけ時間がかかっているのか。やがて順番待ちのドコモの担当がやってきた。しかしこの時間稼ぎは彼の企みを成功させるために必要なプロセスであったのを知ることになるのは最後の最後である。

 

◆ここでやるべきだったこと

「お前はだれでなんのために座って何をいっているんだ?と聞く」

◆実際やったこと

ふんふんと薄ら笑いをしていた。

 

敵B:女性だよな、とは認識できる人物が二人あらわれた。

「ご料金の診断をあsdfghjkぉ」と言っているが、化粧がものすごく変でまったく頭に入ってこない。名前、電話番号、生年月日を教えねばならないのだが機種変更はいいですわ~とやんわりと受け流す。それでは失礼いたしましたと去っていく。

 敵A:V系(髪型のみ)をしたおじさんが再びあらわれた。

「いや~あsdfhkllくぇrちゅいいおp」といいながら「○心パック」の紙をひらひらさせている。「サービスみたいなもんで2年目からつかってもらいたい裏技みたいなもんであ、この割引券をつかってもらえばいいんで5年後でもまた入ってもらえばいいんで」全く要領を得ないがなぜか名前を書いてしまい、アプリもいわれるがままインストールしてしまった。

 

 ここでやるべきだったこと

「お前はだれでなんのために座って何をいっているんだ?と聞く」「で、総額いくらになっているのか?」「このオプションにお金はかかるのか」ときっぱりと聞く。

実際にやったこと

ふんふんと愛想笑いをしていた。

 

 

敵C:のび太のような店員があらわれた。

機械的に金額を言ってくる。「リサイクル券の料金ガー」「現金sdgfjhk;p」

 

ここでやるべきだったこと

「で、総額いくらで内訳はいくらになっているのか?」を確認してから金を出す。

実際にやったこと

無言で現金とクレジットカードを渡す。

 

またもや時間がかかる。「安心○○はどう切れば」さっきのV系のび太がごにょごにょやっていると

敵D:眼鏡のおじさんとおばさんがあらわれた。

 「お時間があるうちにニヤ保険相談のサービスをはじめてしまいましてニヤニヤ」

「もうあんたたちとはしゃべりたくないもういいです」

 

敵C:のび太のような店員があらわれた。

なぜか敵A:V系(髪型のみ)もついている。お釣りとリサイクル券とカードの明細、ここにサインをしろと迫ってくる。しかしここで明細を確認してメロスは激怒した。

 

聞いてない(聞けなかった)安心なんとかの料金が3980円乗っかっているのだ。

 

おいちょっとまてここはかの有名なPCデポか?なんやこれとのび太に詰め寄るが保証の内容をつらつらと話しだし始末に負えない。V系(髪型のみ)に金がかかるとは聞いてない(聞けなかった)というと外してもいいけど合計の値段は変わりませんよとニヤニヤしている。あんた最初から内訳ちゃんと説明せいよ(聞けなかった)というとすいませんニヤニヤと言われる。こちらがゴネて値引きを要求したかわりにこの保証をサービスしたとでもいうのだろうか。こんな保証いらんと言うと保証は外せるが値段は変わらないの一点張りで埒開かず。

 

デート商法絵画商法でサインしてしまうのはこれかと今は思う。

「早く帰りたい>>>>>>正しい判断」

お金がかかるのかかからないのかサービスがどうこうなんか言っているが理解できない。なんかあやしいな、とは思うがまあいいや、良い買い物をしたと無理やり自分を納得させ帰る。粗品のキッチンペーパーとティッシュと洗剤は持って帰った。

 

まとめ

対人スキルを試すリアルRPGゲームと認識して臨めば良かったのだが電器店は色んな敵が次々に現れる。色んな奴が名乗らず次々と自分の売りたいものを売ってくる。個人情報を渡してしまった後でもめては万が一敵が無敵の人だった場合よからぬことにもなりかねない。最近冷蔵庫も食器棚もネットで買ってしまい、店舗での交渉スキル対人スキルが低いままでは奴らにとっては私は裸の「無課金ユーザーがあらわれた」であろう。

 

「買い物ではなく、生身の人間が1円を削りあう戦い」だと仮定するならば今日は負けているような気がする。良い買い物と無理やり思い込みたいけど。

 

パンをかう、日用品をかうのとは全く別カテゴリーの戦いなのだと肝に銘じる。

次回は話をきかない、言いたいことは我慢しない、言質をとる、記録を残す、そんな逆の立場で応対したくない人を演じてみる。

 次はエアコンが壊れるような気がしている。